いまここで会える自然

植物初心者でも、街中で楽しめる植物を紹介するブログ

ユズリハの名の由来

近所を自転車で駆けていると、視界の隅に飛び込んできた何やら明るい色。

 

振り向き様に視線を向けると、そこにあったのはユズリハの新緑でした。

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上の明るい緑色が新しいはっぱで、下の濃い緑色が古いはっぱ。

 

こうしてたくさん並んでいると壮観です。

 

遠くから見えたのはこの木↓

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明るい緑が遠目にもよく分かります。

 

そうか、いまがこの季節だったかと一人路上で手を打ち鳴らし、ちょこっと近づいてみます。

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よく見ると、はっぱの色は3つ。

上部の明るい緑に、下部の濃い緑。続いて右隣に黄色のはっぱ。

 

じつはこれ、ユズリハの名前の由来を知るには最適な状態。ユズリハのように、一年中はっぱを落とさない樹木は「常緑樹」と呼ばれますが、これは同じはっぱがずっと枯れずに付いているわけではなく、古いはっぱと新しいはっぱが絶えず入れ替わっているために一年中はっぱを落とさず「常に緑に見える樹」という意味です。

 

ユズリハは、この古いはっぱと新しいはっぱの入れ替えが非常に短期間に行われるのですが、それがまさに上の写真の瞬間。

 

古い葉は、新しい葉が出てくるまでその役割を果たし、新しい葉が大きく濃くなるころに散っていきます。

 

この様子を、古きから新しきに「譲る葉」=「譲り葉」と例えたというのがその名前の由来。

 

ユズリハが正月飾りなどの縁起物に使われるのは、このように鮮やかに世代交代をし、後世も幸せに過ごせるようにという願掛けからきているそうです。

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足下を見ると、すでに世代交代を果たし、落ちているはっぱがありました。

 

名前の由来を知るのもまた面白きかなと思うのですが、それ以上に昔の人は植物のことを本当によく見ていたんだなぁということに驚かされます。

 

なにせ失礼ながら、世間ではどちらかと言うと地味な部類に入るであろうユズリハの葉の落ち方を見て、末代までの幸せを願ったというのだから。

 

よぅし、現代に生きる僕だって負けないぞと、ユズリハの新緑をもう少し眺めてみることに。

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大きくなってきた冬芽。ユズリハは葉柄(葉の付け根と枝や幹が繋がる部分)が赤いのも分かりやすい特徴。

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新緑の先っぽがちらっと見える。しわしわ。

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新緑の時期は花の時期でもあります。

この赤い部分は、まだ未成熟の雄しべの葯。

 

今回は、成熟した雄しべと雌花が見つけられなかったのでまた見に来よう。

 

そういえばユズリハの実もちゃんと見たことないな。11月になったらこれもまた見に来なくっちゃ。なんて考えているとキリがなくなってきます。

 

知っていたからと言ってお金持ちになれるわけではないけど、ちょっとだけ面白い。

 

この控えめな効果が植物観察の魅力です。