いまここで会える自然

植物初心者でも、街中で楽しめる植物を紹介するブログ

どこまでも造形が魅力的なタケニグサ

これまた家の近くを自転車で走っていると、視界の端に存在感のある植物が。

f:id:michi_kusa:20170714134125j:plain

▲振り返るとタケニグサでした。

 

とっても目立つので、いまとなってはこうして無意識でも気が付くほどなのに、おそろしいことにこの植物の名前を知るまでは、まるで気が付かなかったんですよね。

f:id:michi_kusa:20170714141130j:plain

▲背丈は1m~2mほどにもなります。こんな道路沿いにも平気で生えているのに、名前を知らないと自分の世界に登場してこない。重ね重ね、名前を知ることって大事です。

 

それはさておき、僕は結構この植物が好きです。

 

なぜなら各部位に見所が多い植物だから。

f:id:michi_kusa:20170714141543j:plain

▲まずは、この植物の上の部分に注目。

f:id:michi_kusa:20170714141619j:plain

▲てっぺんにあるのが花のつぼみ。

f:id:michi_kusa:20170714141701j:plain

▲それが大きくなったものがこれ。開花直前の様子。

f:id:michi_kusa:20170714141932j:plain

▲白いつぼみ、よく見ると綺麗です。

f:id:michi_kusa:20170714141907j:plain

▲このつぼみから咲くのが、この花。花が開くと白いがくは落ちてしまうみたいです。

f:id:michi_kusa:20170714142016j:plain

▲花のアップ。花びらはなく、雄しべがたくさんついています。そしてピンク色の雌しべが一つ。

f:id:michi_kusa:20170714142135j:plain

▲雌しべのアップ。雌しべって、こうして小さい突起がたくさんついていることがよくあるけれど、これはやっぱり花粉がくっつきやすくするためなのかしら。

f:id:michi_kusa:20170714142221j:plain

▲花が終わったあと。

f:id:michi_kusa:20170714142247j:plain

▲それから、若い果実。

 

という感じで、順番に各所を見ていくと何だかどこも造形的に面白いんですよね。

f:id:michi_kusa:20170714142326j:plain

▲葉っぱのかたちも印象的。

f:id:michi_kusa:20170714142437j:plain

▲葉の裏は白い。

f:id:michi_kusa:20170714142347j:plain

▲この白さに近付くと

f:id:michi_kusa:20170714142410j:plain

▲その正体は、白い縮れ毛!なんじゃそりゃっ!

 

いやはやなかなか見ごたえがある植物です。

 

タケニグサは、ケシ科の植物で、全草有毒。日本ではあまり使われないけれど、海外では園芸植物として使われることがあるのだとか。

 

確かにこの見た目ですからね。この花も、日本でもっと広く認知されていてもいいのになと思う植物の一つです。

 

きっと今日も近くで何食わぬ顔をして咲いているこのタケニグサ。

 

こういうのって、美術をやってる人なんかも好きだと思うのだけど、どうなのだろう。

 

路傍の美術館。植物の名前を知るだけでフリーパスです。

日本が誇る梅雨明けの花 ヤマユリ

日本の花と言うと、何故だかちょっと小さかったり地味だったりというイメージがありますが(僕は結構それが好きなのですが。つつましくて)、じつは中には「えっ!こんな花が日本に野生であるの!?」と驚くものもあります。

f:id:michi_kusa:20170713234612j:plain

▲おそらくヤマユリの花はその筆頭選手。

f:id:michi_kusa:20170713234559j:plain

▲直径20~25センチほどの大きさで、近づくとなかなかに迫力があります。

f:id:michi_kusa:20170713234828j:plain

▲有無を言わせぬ美しさ。遠くからでもふわっと甘い香りが漂ってきます。

 

いつも植物の細かい話を嬉々として書いていますが、ヤマユリに関してはあまりそういう気持ちになりません。たぶん問答無用の美しさだからでしょうか。

 

ヤマユリは日本の固有種で、東北~近畿地方まで分布している植物。意外と分布は広いですし、東京でもわりと身近で見られる場所があります。

 

こんなに目立って綺麗なのに、この花の名前を知るまではどこに咲いているか気にもならなかったのが不思議。

 

名前を知るっていうことは本当に重要なことなんだなぁと思います。

f:id:michi_kusa:20170713235543j:plain

▲つぼみも大きい。

f:id:michi_kusa:20170713235822j:plain

▲世界でも最大級のユリの花だそうです。

 

花がとっても大きいので、ハチなどの小型の昆虫が来ても花粉媒介には役にたたないのだとか。

f:id:michi_kusa:20170713235947j:plain

▲花が大きいと、雌しべと雄しべを観察するのも容易。柱頭は花粉をつけるために少し湿っているんですね。

 

小型の虫では花粉を運べないということで、恐らくアゲハチョウなどの羽を広げると大きくなるものが花粉を運んでいるのではないかと言われています。

f:id:michi_kusa:20170714000253j:plain

▲そう聞いて、じつはユリの花でちょっと気になっていたことを思い出しました。

 

ヤマユリのこの赤い斑点、これを良く見ると

f:id:michi_kusa:20170714000408j:plain

▲ただ色が付いているだけではなくて、ちょっとした突起になっているんです。

 

これ、もしやチョウのための足場なのかしら。

 

むむむ。なんだか美しさにやられてしまってあまりちゃんと観察できなかったけれどまだまだ研究のしがいがありそうだ。

 

じつは高校生の時に使っていた通学路に点々と生えているこの花。なんであの時は知らなかったんだろう。もったいないことしたな。

 

こういう素晴らしい花が日本にあるということは、もっと広く知られてもいいのになと思います。 

ツユクサの3種類の雄しべと、2種類の受粉の方法

お昼に公園で見つけたので、一枚パチリ。

f:id:michi_kusa:20170710140319j:plain

▲さぁこれはなんでしょう。

f:id:michi_kusa:20170710140402j:plain

▲正解は、小さい子でもよく知っているツユクサ・・・の「昼の姿」でした!

 

ツユクサは早朝に咲き、昼にはしぼんでしまう儚い一日花。いまは忙しいから後で見ようなんて思っていると、いつの間にかこんな姿になっているので意外にちゃんと見る機会が少ない植物だと思います。

 

そういう植物にかぎって、よく見ると面白いんですよね。

f:id:michi_kusa:20170710140428j:plain

ツユクサを横から。(朝8時の様子)

 

さて、この写真の中で、どれが「雄しべ」でどれが「雌しべ」でしょうか?

 

と聞かれたら、答えるのがなかなか難しいと思います。

f:id:michi_kusa:20170710140457j:plain

▲というのも、花をのぞくとなんだか色々な形をしたものがたくさん付いているからです。

f:id:michi_kusa:20170710141937j:plain

▲まずは花の先の部分から。真ん中にある先端だけピンク色のものが「雌しべ」。

そして、その両側の花粉がついた葯がついている部分が「雄しべ」。これは簡単。

f:id:michi_kusa:20170710141709j:plain

▲難しいのがこれ。これは一体なんだ。

f:id:michi_kusa:20170710141808j:plain

▲正面から見てみると、Ⅹ字あるいはπ字の形をしている。

f:id:michi_kusa:20170710160321j:plain

▲π字形の脇のところに、ちょっと色が濃いオレンジの小さな塊。調べてみるところ、これが花粉なのだとか。

 

ということは、この変ちくりんな形をした部分も「雄しべ」ということ。

 

ただし、この部分は「雄しべ」と言って、この小さな花粉には交配能力が無いのだそうです。

 

交配能力がない(そもそも花粉も少ない)ので「仮雄しべ」。

f:id:michi_kusa:20170710141709j:plain

▲もう一度先ほどの写真。X(π)字形の仮雄しべの下に、今度はY字形のもの。

 

これも花粉が出ているので、どうやら「雄しべ」のよう。調べてみると、これには交配能力があるらしい。

 

それでは、順に並べてみます。

f:id:michi_kusa:20170710141937j:plain

▲先端には、交配能力のある「雄しべ」が2つ。そして、その真ん中に「雌しべ」が1つ。

f:id:michi_kusa:20170710141808j:plain

▲真ん中には、交配能力が無いけれど目立つ「仮雄しべ」が3つ。

f:id:michi_kusa:20170710161239j:plain

▲仮雄しべの手前に、交配能力のあるY字形の「雄しべ」が1つ。

f:id:michi_kusa:20170710161600j:plain

▲ということでツユクサの花には、雄しべが6本と、雌しべが1本ついているということが分かりました。

 

こうして改めて真正面から見てみると、交配能力の無い「仮雄しべ」ばかりが目立つと思いませんか?

 

何でだろ。交配能力のある雄しべが活躍しないとマズイんじゃないのかツユクサ

 

・・・なんて思った僕が浅はかでした。なんとなんと、これこそがツユクサの作戦なのだとか。

 

植物にとって、花粉を作ることはとてもエネルギーを使うこと。人と一緒で、出来ることなら省エネしたい。

 

花の中心にある雄しべ3つの花粉を節約する代わりに、大きく目立つ姿に形を変えて「ここに花粉ありますよー!(本当はないけど)」と虫にアピール。

 

X字に引き寄せられた虫がツユクサの花に近寄ってきた際に、交配能力のある他の目立たない雄しべに気付かないうちに触れる。

 

そして知らぬ間に他の花へと花粉を運び、受粉の手伝いをさせるというのがツユクサの戦法。(違う花と受粉を行うことを「他家受粉」といいます)

  

むむむ。あなどれませんねぇ、ツユクサは。

 

なぁんてとこでは終わらないこの話。まだもう少し続きます。

 

可愛いらしい見た目と違ってなかなかに計算高いツユクサは、朝と昼で違う顔を見せます。

f:id:michi_kusa:20170710144554j:plain

▲昼前の様子。朝となにが違うでしょうか。

f:id:michi_kusa:20170710144655j:plain

 ▲横からみたところ。

 

見て分かるとおり、朝には真っ直ぐに伸びていた2本の「雄しべ」と「雌しべ」がくるくるっと根本に向かって丸まっています。

f:id:michi_kusa:20170710144711j:plain

 ▲アップ。

f:id:michi_kusa:20170710144849j:plain

▲さらにアップ。 真ん中の雌しべの柱頭に、花粉が付いているのが見えるでしょうか。

 

この写真だけで分かった方もいると思いますが、ツユクサは昼になると雄しべと雌しべをくるくる丸めて、自分の花粉を自分の柱頭にくっつけて受粉をするのだそうです(自家受粉といいます)。

 

つまり、ツユクサは2種類の受粉の手段を有することで、受粉成功率を高めているのだと考えられています。

 

虫による受粉が成功しなければ、自分で受粉しちゃうぞ。と。

 

なんとまぁ、よく出来ていること!

 

と感心してしまいますが、よく考えてみればそれもそのはず。ツユクサの花の命は早朝~昼までのほんの一時。

 

この間に受粉を成功させないといけないので、こうして様々な工夫を凝らして備えているんですね。

 

ちなみに、万葉集にはツユクサのことを詠んだ歌が何首か出てきて、その儚い命を自身になぞらえて詠っているものが多くあります。

 

朝(あした)咲き 夕(ゆうべ)は消える 月草の 消ぬべき恋も 我れはするかも 作者未詳

 

→「月草」は「ツユクサ」のことなので、「朝に咲き、夕べにはしぼんでしまうツユクサのように、消えてしまいそうな恋を私もするのでしょうか」のような意味。

 

月草の 惜れる命にある人を いかに知りてか 後も逢はむと言ふ 作者未詳

 

→「ツユクサのように儚い命の私なのに、どうして後で逢おうなんて言うのでしょうか」

 

万葉の時代の人が、ツユクサの花の作りや受粉方法まで知っていたかは分かりませんが、この花が早朝に咲き、一日のうちにしぼんでしまうことは知っていたみたい。

 

そして、それを自身の淡い恋心にのせて詠いたくなるほど身近に感じていたのだなぁと思うと、なんだか今と昔が繋がって不思議な気持ちになります。

 

自分の気持ちを植物に託す豊かな感性は、今に生きるわたし達も見習いたいところだなと思います。

ホタルブクロのつぼみを突き破るトラマルハナバチ

今年も良い季節になったので、毎年恒例のホタル鑑賞へお出かけ。

 

そこで発見!ホタルではなくホタルブクロの花。

f:id:michi_kusa:20170705175448j:plain

▲この花の中にホタルを入れて遊んだことからホタルブクロ。

 

…とよく言われますが、実際に入れるのは無理なのでは?ともよく聞きます。

 

ホタルが飛ぶ時期に咲いていて、ちょっと袋みたいだから、ホタルブクロかしら。

 

この花を見ながら思い出したのは1年前のこと。

f:id:michi_kusa:20170705175716j:plain

▲四国にて、ホタルブクロの白い花を発見。いまにも咲きそうなつぼみ!

 

あぁこの状態も凄く惹かれるものがあるなぁと思い、写真を撮っていたところ

f:id:michi_kusa:20170705175818j:plain

▲ぶーんと、トラマルハナバチがやってきました。

f:id:michi_kusa:20170705175918j:plain

▲せっかく来たのに残念。まだつぼみでした。と思った次の瞬間…

f:id:michi_kusa:20170705180008j:plain

▲つぼみに頭突き!

f:id:michi_kusa:20170705180105j:plain

▲えっ・・・

f:id:michi_kusa:20170705180128j:plain

▲と、呆気に取られている間にトラマルハナバチは花の中へ浸入。

f:id:michi_kusa:20170705180201j:plain

▲うそ、これどうなっちゃうのかしら?と目を離せないぼく。

f:id:michi_kusa:20170705180233j:plain

▲なにやら花の内部で上下にウロウロしている模様。

f:id:michi_kusa:20170705180339j:plain

▲…出てきた!

f:id:michi_kusa:20170705180405j:plain

▲花の外側に捕まると

f:id:michi_kusa:20170705180429j:plain

▲すぐにその場を飛び去っていきました。

f:id:michi_kusa:20170705180450j:plain

▲こじ開けられたつぼみを下から覗く。

 

花の蜜や花粉を集めて餌とするミツバチやマルハナバチの仲間たち。花が咲いていなければ頭でこじ開けていくほどアグレッシブに餌を求める姿にしばし感動。そして、どうしてこのつぼみの中に目的のものがあると分かるのだろうと、興味深々。

 

ホタルブクロにとっては、トラマルハナバチに餌を提供する代わりに花粉を他の花に運んでもらうという利点があるので、植物と虫は切っても切り離せない関係にあります。

 

こういうことだって、教科書で習うより実際の現場を見た方が強く印象に残りますね。

f:id:michi_kusa:20170705180519j:plain

▲じゃあもしかして。と前出の写真を拡大してみると、後脚に花粉のかたまりを発見!

 

花によってくるハチの仲間をよく見ていると、こうして花粉のかたまりを脚にくっつけていることがあります。これはハチが花の中を動きまわることで体に付けた花粉を、後脚を器用に使って一ヵ所に集めることでこうなるのだとか。

 

確かにこのほうが巣に持ち返りやすそうだ。と、ホタルブクロを見ていたはずなのに、いつのまにかハチに興味が出てきてしまった僕。

 

虫のことももっと知りたいなぁ。

知っているようで知らないオオバコの話

知っていると思っている植物ほど、よく見てみると知らなかったことだらけ。

 

たとえば、「オオバコの花ってどーれだ?」と改めて聞かれたら、答えられるでしょうか?

f:id:michi_kusa:20170628235637j:plain

▲正解は、これ!

 

えっ?どれ?と思った方のためにさらに近付いてみます。

f:id:michi_kusa:20170628235705j:plain

▲このギザギザの白い棒のようなもの。これが花です。

 

花といっても、これは「雌花」。花びらは閉じている状態で、中から白いギザギザの柱頭だけが顔を出しています。

 

それでは「雄花」はどれかしらと、探してみます。

f:id:michi_kusa:20170628235830j:plain

▲見つかりました。花びらが開いた中から、先端に花粉が入った葯のついた雄しべがヒラヒラと覗いています。

f:id:michi_kusa:20170628235847j:plain

▲アップ。

 

遠めに見ていると分かりませんが、じつはこうして「雌花」と「雄花」がちゃんと花を咲かせています。

 

と、ここまではただ花の様子を確認しただけ。これだけでも面白いけど、もう少し踏み込んでみます。

f:id:michi_kusa:20170628235952j:plain

▲花の全体を見たところ。先ほどみた白いギザギザの雌花が上部についていて、ひらひらの葯がついた雄しべが下部の方についているのが分かるでしょうか。

 

オオバコは、花を下から上へと順番に咲かせていきますが、まず先に「雌花」を咲かせ、その後を追いかけるようにして「雄花」を咲かせるという時間差戦法を使っています。

 

オオバコは、雄しべの花粉を風にのせて雌花へ運ぶ植物(風散布といいます)。もしも「雌花」と「雄花」の咲く時期に時間差がなく同時に咲くとしたら、同じ個体の中で受粉をしてしまう可能性があります。

 

それを避けるため、こうして「雌」と「雄」の時期を分けて花を咲かせるのだとか。

 

さらに、「雌」から「雄」へという順番も重要。

f:id:michi_kusa:20170628235924j:plain

▲もし雄しべが上にいたら、せっかく花の咲く時期をズラしても、風で落ちた花粉が下の雌しべにくっついてしまいますからね。

f:id:michi_kusa:20170629000133j:plain

▲遠くから見るとなんてことないのに、じつはよく出来ているオオバコの花。

 

こうして一つの花の中で、性別を変える方法は「雌雄異熟」と呼ばれますが、以前ご紹介したホオノキも同じ戦略です。

imakokonoshizen.hatenadiary.jp

 

さて、ここで終わるかと思いきや終わりません。よく見ていると花が終わってすでに実になっているオオバコがちらほら。

f:id:michi_kusa:20170629000154j:plain

▲カプセルみたいになっている果実。

 

植物の世界ではこのような果実を「蓋果(がいか)」と呼びます。読んでそのまま、フタがある果実のことです。

f:id:michi_kusa:20170629000220j:plain

▲蓋を外すと中から種が出てきます。

f:id:michi_kusa:20170629000240j:plain

▲この種を水でぬらしてみると、(写真だと分かりづらいですが)ジワジワっと少し粘ります。

 

雨が降ったあとなどに、人間や動物がオオバコを踏んづけると、その足の裏に種がくっつくので、そのまま遠くへと種を運ぶことができるというのが、オオバコの種子散布方法。

f:id:michi_kusa:20170629000305j:plain

▲小さいころ、オオバコの葉っぱをちぎって中の白い筋のようなものを取って遊んだことのある方がいらっしゃるかと思いますが、これにも意味があります。

 

種を運ぶために「踏まれたい植物」であるオオバコは、踏まれても大丈夫なように組織を強くしています。

 

植物の体の中で特に大事なのは「維管束」。水分や養分を通す管のことです。

 

踏まれたいけれど、この管が壊れると生きていけない。なのでオオバコはこの維管束を丈夫にして、ちょっとやそっとのことでは壊れないようにしています。

 

なるほど~!小さいころの遊びにもちゃんと理由があったのかぁ。

 

知れば知るほど凄い植物。オオバコ。

 

身近な植物も、掘り下げてみれば随分と楽しめるものです。

 

そういえば、前に見たドクダミもなかなか奥深い植物でした。

imakokonoshizen.hatenadiary.jp

 

*最後にマメ知識*

もしも山で迷ったときにオオバコが目についたなら、オオバコが多く生えている方へと進んでみてください。

 

オオバコは人に踏まれてその生息域を広げているので、オオバコが多く生えている方に人が住んでいる可能性があります。

 

…この知識を使う場面はそうそう訪れないと思いますけどね。

パパイヤが野生化する沖縄県

昨日まで、沖縄県某所に出かけていました。

 

ところ変われば、目につく植物だって変わるもの。

f:id:michi_kusa:20170627195059j:plain

▲見事に成ったパパイヤの実。

 

東京ではスーパーで買わないと手に入らないフルーツですが、沖縄県では身近で見ることが出来ます。

f:id:michi_kusa:20170627195302j:plain

▲なにせ、畑から逃げ出したパパイヤがこうして各地で野生化していますからね。

f:id:michi_kusa:20170627200158j:plain

▲なんていう事もない植え込みにも登場。沖縄に来て、えぇっ!と驚く光景の一つです。

f:id:michi_kusa:20170627195900j:plain

▲下から覗くと、葉っぱの雰囲気がなかなか格好いい植物。

 

せっかくパパイヤがこんなに身近にあるのだから、当然ちょこっと観察をしてみることにしました。

 

面白いのは、その花のかたち。

f:id:michi_kusa:20170627200532j:plain

▲なんだこれはぁ!とびっくりしてから近づくと

f:id:michi_kusa:20170627200615j:plain

▲花でした。

f:id:michi_kusa:20170627200715j:plain

▲葉っぱの腋から長い柄を伸ばして咲いているこれは雄花。

 

当然ながら、この花は実になりません。それでは雌花は?というと

f:id:michi_kusa:20170627200840j:plain

▲これです。雄花とは様子がまるで違うのが分かります。

f:id:michi_kusa:20170627200938j:plain

▲下の緑はパパイヤの実。上の白いのがパパイヤの雌花。

 

スーパーで見るパパイヤはこうして出来るのか。ふむふむと思いつつちょっと変わったものを発見。

f:id:michi_kusa:20170627201705j:plain

▲雌花に見えますが、柱頭の周りに黄色い雄しべらしきもの。

 

これ、もしかして両性花かしら?と疑い調べてみるとやっぱりパパイヤには「雄花」と「雌花」と「両性花」の3つの花があるのだとか。

 

両性花は、東京に帰ってきてから写真を見返して気が付いたので、今度沖縄に行く際は意識的に探してみよう。パパイヤもなかなか観察のしがいがある植物じゃないか。

 

なんて思いながら夕食を食べていると、刺身についてきたちょっと変わったつま。

f:id:michi_kusa:20170627202218j:plain

▲お察しの良い方は分かったかも知れませんが、なんと沖縄では刺身のつまに青いパパイヤを使うことがあるのだとか!

f:id:michi_kusa:20170627202332j:plain

▲教えてもらわないと気が付かない自然さで盛り付けられています。

 

東京の人間にとっては珍しいフルーツも、沖縄では漬物にしたりチャンプルーにしたりして身近な野菜として使われているそうです。へぇ~!

 

植物を見る習慣があると、旅先で見る風景に楽しさが増えるので、やっぱり植物はおススメ。

f:id:michi_kusa:20170627204040j:plain

f:id:michi_kusa:20170627204112j:plain

▲熱帯植物のサンダンカが、植え込みに使われていてビックリしたりね。

初夏の幻のようなマタタビの葉っぱ

どうも僕は植物が本当に好きみたいで、何度同じものを見ても新鮮に驚くことが出来るという能力を持っています。

 

この時期ならこれ!

f:id:michi_kusa:20170621225524j:plain

▲この白い葉っぱを見て、なんだこの白さは!と毎回驚くというのが僕の年中行事です。

 

さぁ、それでは一体この植物はなんでしょうか?と、本当はクイズ形式で問いたいところですが、タイトルでバレバレですね…。

 

じつはこれ、マタタビの葉っぱなんです。

f:id:michi_kusa:20170621225707j:plain

▲疲れはてた旅人が山中でこの実を発見。手に取り食したところ、たちまち元気を回復し、「また旅」をすることができたことからマタタビ

猫がかじると酔っぱらうことで有名なあれです。

 

その知名度の高さと、こんなにも分かりやすい見た目をしているのに、意外と実物を見たことがある人は少ないこの植物。

 

それもそのはず、マタタビの葉っぱが白いのは今の時期だけで、普段は景色に溶け込む緑色をしているからです。

f:id:michi_kusa:20170621225939j:plain

▲この時期だけ、遠くから見てもよく目立ちます。なんかあそこだけ白いものいっぱいない?と思ったら真っ先にマタタビを疑ってください。

 

マタタビがこの季節に葉を白くするのは、花がここに咲いているよ!と遠くからでも分かるようにしているからと考えられています。

f:id:michi_kusa:20170621225612j:plain

▲ということで白い葉っぱに近づいてみると…

 

あったあった!マタタビの花!

f:id:michi_kusa:20170621230018j:plain

▲なかなか良い香りがします。

 

この香りで虫を呼んで受粉をするのがマタタビの方法なのだそうですが、これだけだと近くにいる虫しか呼ぶことができません。 

f:id:michi_kusa:20170621230050j:plain

 ▲そこで、遠くから見ても分かるように花が咲く時期だけ葉っぱを白くして、花はここだよー!と遠くにもアピールしているのでは?と言われています。

f:id:michi_kusa:20170621230115j:plain

▲近付いてみるとこんなにたくさんの花!

 

今はこんなに目立つのに、他の季節になると葉っぱが緑色に戻るので、遠くからは目立たなくなります。

 

するとすっかり見つけられなくなってしまい、その内うっかり存在を忘れてしまいます。

 

そしてまた初夏になると白い葉っぱを見つけて、こんなにたくさんあったかしら?と毎回同じように驚くという、なんだか初夏の幻のようなマタタビの葉っぱ。

 

サクラや紅葉のように一時期だけ世界を変える植物をみて嬉しくなるのは、きっと季節が巡ったことを感じるからかしら。

 

また今年もマタタビの季節かぁ。去年はどこで見たっけな。来年はどこでみるかな。なんて色々なことを思いますからね。

f:id:michi_kusa:20170621230218j:plain

▲最後にもう一枚。うぅん、やっぱり何度見ても面白い植物。

 

*さて、マタタビの葉がどうやって白くなるのかについてはこちらをご参照ください↓

https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3301

 

分からないことがあると、よく参考にしている日本植物生理学会さんのHP「植物Q&A」です。

 

マタタビの葉っぱが白くなるのは、葉っぱの表面に空気が入るからなんだとか!